Kawasaki Robotics

50th Anniversary

日本の“ロボット大国”への成長を支えたカワサキロボット、
活躍の場を北米、そして欧州へ

1980年代半ば、日本のロボット稼働台数は9万3千台に達し、世界の約7割が稼働する“ロボット大国”へと成長します
その成長を支えたカワサキロボットは、1968年のユニメーションとの技術提携以降、着実にノウハウと経験を積み重ね、
更なる事業拡大に向けて、巨大な自動車産業が発展している米国、そして欧州へと展開を見据えました。

国際ロボット連盟(IFR)

1986

世界一厳格な評価基準の突破から見えた、米国市場展開への道筋

1986年、自動車の街デトロイトに、米国自動車メーカー向けビジネス開拓に向けて当社初の海外拠点となる北米事務所を設置。日本で培った自動車製造現場での適用技術力や生産ライン構築の実績をもとに、同年には、米国自動車メーカービッグスリーに対するプレゼンテーションや工場の視察を開始し、開拓の糸口をつかみました。

米国自動車メーカーへの導入には、“世界一厳しい”とされた独自基準の性能評価テストにおいて、詳細に設定された項目を全て突破する必要がありました。それは後に設定される国際基準にも参考にされるほどの水準。そのテストをクリアするため、1986年初めから専任のエンジニアを日本から派遣。厳しい要件への対応を続け、そのテストを通過。その性能が認められました。その頃、1987年10月には、1986年に設立したデトロイト事務所の機能を拡大し、「デトロイトロボットセンター」を開設しました。

性能評価テスト合格後、米国メーカーの実生産ラインに試験導入され、工場の従業員へのロボット操作やトレーニングも重ねていきます。そして、機種を代えて行った複数の評価テストにすべて合格し、当社採用に至るまでにはほぼ1年に渡る期間を要しました。当時、米国製ロボットは設置後の初期トラブルが多く、稼働開始までに時間を要していましたが、カワサキロボットの実稼働実績は事前のテスト結果と変わりなく、米国自動車メーカーからの評価を上げるきっかけとなりました。1988年に数台規模の初導入を果たし、翌1989年には数百台規模でのスポット溶接用ロボット導入へと至りました。この大規模な納入を契機に1990年、デトロイトロボットセンターは「Kawasaki Robotics (USA), Inc.(KRI)」へと発展し、現在に至っています。

設立当初の米国KRI社屋。
1990

欧州市場へ本格参入

1990年代初頭、川崎重工は新たな市場として欧州へ乗り出しました。1989年には川崎重工本社のオランダ、アムステルダム事務所内に駐在員を派遣。1991年には、英国ロンドンの「Kawasaki Motors UK(KMUK)」内に現地事務所を開設。欧州自動車業界参入の糸口を掴むと共に、ロボット導入が見込まれるその他業界の開拓に向けて、欧州市場での事業基盤を構築していきます。やがて1995年11月、ドイツ現地法人「Kawasaki Robotics GmbH(KRG)」、1996年には英国ロンドン事務所からロボット部門が独立し、「Kawasaki Robotics (UK), Ltd(KRUK)」を設立。欧州サービス・販売網を増強させていきました。

KRIで作業を行うエンジニア。