自動検温もお手の物。New Normal時代の協働ロボット「duAro」

2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中に大きなダメージを与えました。しかしその一方で、コロナ禍が浮き彫りにしたニーズも少なくありません。たとえば「非対面・非接触」が求められる新しい社会では、ロボットが活躍する“職場”が増えています。

コロナ禍で“ロボットの働き方改革”が進む?

世界国際ロボット連盟(IFR)のミルトン・ゲリー会長は、今後の“ニューノーマル”に合わせた変化に伴い、「新しい用途や開発中のソリューションへの需要が高まり、ロボットメーカーはそれに対応することになる」と語っています。たとえば医療系の現場では、薬のデリバリーや殺菌・消毒に従事するロボットが増加。無人警備や自動清掃、さらには案内や配膳といった“おもてなし”サービスを担うロボットも続々実装されています。焼肉の和民は配膳ロボット「PEANUT」(Keenon Robotics)を導入、カラオケのJOYSOUNDやホテルの受付デスクには「ロボホン」(シャープ)が登場し、品川区役所では23区初の窓口担当ロボット「ロボコット」(タケロボ)が就任。ロボットの社会進出が止まりません。

ところで経済産業省はロボットを「産業用」と「非産業用」に分類しており、前述の配膳や案内、警備などで活躍しているのは非産業用、いわゆるサービスロボットです。しかし、これからの新しい社会では「ものをつくるロボット」、「ものをつくらないロボット」と、単純に境界線を引くことはできなくなりそうです。アタッチメントやソフトウェアを変えるだけで、活躍する職場をフレキシブルに移動できるロボットが生まれているのですから。

協働ロボット「duAro」が越える境界線

双腕スカラロボット「duAro(デュアロ)」は、50年以上にわたり産業用ロボットの世界を率いてきた川崎重工が開発。人ひとり分のコンパクトなボディ(筐体)に2本のアームを備えたduAroは、“人の代わり”だけではなく“人と一緒に”働く、人共存型ロボットとして誕生しました。

「小型」で「移動しやすく」「簡単に使える」duAroは、ものづくりの現場におけるロボット導入のハードルを引き下げました。「生産品種を頻繁に変更する」、「多品種をすこしずつ生産したい」など、従来の産業用ロボットではなかなか対応しづらかった“声”に応えるフレキシブル性も強みとなり、2015年の発売以来、電子機器や食品、化粧品など多彩なラインに従事しています。そしていま、その器用な両腕と、人と共存可能な機能を活かして、ものづくり以外の現場にも活躍の場を広げています。

完全非接触&完全自動で来場者の検温を実施

新型コロナ感染症拡大予防の観点から、現在多くの事業者や職場では、従業員や訪問者が敷地内へ入る前に検温を実施しています。非接触式体温計を入口で「おでこにピッ」とする光景はいまや日常になりました。そして、2020年夏に登場したのがこの「おでこにピッ」を人の代わりに行なうduAroです。すでに「神戸海洋博物館・カワサキワールド」(兵庫・神戸)や「Kawasaki Robostage」(東京・お台場)の受付に実装されています。

完全非接触&完全自動で来場者の検温を実施

来場者が計測開始用のセンサーに手を近づけると、duAroが反応。温度計測用センサーを持った右手が来場者のおでこの高さに合わせてピッと計測してくれます。体温が規定値以下なら左手に備えたバーを持ち上げて来場を促し、体温が規定値を上回った場合は左手を上げずに通せんぼ、係員を呼び出すという仕組みになっています。一連の動作はすべて非接触で行なうので、係員と来場者が触れあったり飛沫を飛ばしあう、といったリスクが最小限に抑えられるわけです。

人と共存するための高い安全性

duAroシリーズならではの安全面への配慮も、“自動検温”に携わることのできる理由のひとつ。人と並んで作業を行う協働ロボットとして開発されたduAroは、腕の部分を柔らかなウレタン材のクッションで覆っているので、万一人とぶつかったときにも怪我をしないよう配慮しています。さらに、接触時には衝突を検知して即座に停止。使用者を守るために、duAroはあらゆる場合を想定して安全性を確保しているのです。

国内産業用ロボット分野のパイオニアである川崎重工が「ロボットの次なる時代」、すなわちロボットが人と共存する未来を見据えて開発した協働ロボット。dual(ふたつ)とArm(ロボットアーム)そしてrobotを組み合わせた名前をもつduAroには、産業用と非産業用のふたつの分野、人と機械のふたつの世界を繋げる役割も与えられているのかもしれません。

注:2009年の102万1000台に対し、2019年は272万2000台に増加。(国際ロボット連盟「World Robotics 2019」より)

【参考文献】

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